アパート経営のプロパンガスは大家さんが選べる!法改正と見直し方

アパート経営の
プロパンガス
更新日 公開日 書いた人:ヒロ
さきちゃんどうも、ヒロです。
親からアパートを急に引き継ぐと、プロパンガスのことも分からないことだらけで不安ですよね。
または、昔ガス会社に給湯器を無料で付けてもらった方なら、変えると違約金がかかるのか気になりますよね。
まず知っておきたいのは、ガス会社を選ぶのは大家さんだということなんです。
選んだ会社しだいで、入居者のガス代も変わります。2024年からは、ガス会社を変えるときの高い違約金も、新しい契約には付けられなくなりました。
この記事では、大家さんが気を付けることと、ガス会社の見直し方を紹介します。
ガス会社から「給湯器を無料で替えます」と言われたときに、断った方がいい理由も分かりますよ。
アパート経営のプロパンガス、大家さんが気を付けることは?
大家さんが気を付けることは、ガス会社を選ぶのは自分だと知っておくことと、無料の給湯器や紹介料を受け取らないことの2つです。
【1】ガス会社は大家さんが選び、値段は会社ごとに違う
ガスの契約は、入居者がそれぞれガス会社と結びます。でも、どのガス会社にするかは、大家さんや管理会社が決めているんです。
入居者は自分でガス会社を変えられないので、高い会社のままだと、高いガス代を払い続けることになります。
ここがポイント【2】2024年からの法改正で、無料の給湯器や紹介料は受け取れない
※出典:国土交通省「LPガスの商慣行是正に向けた制度見直しについて」、資源エネルギー庁「三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)に関するQ&A」、経済産業省 液化石油ガス流通ワーキンググループ 第15回 資料3(2026年10月15日)
2024年7月2日から、ガス会社が大家さんに給湯器などを無償で貸したり、契約のお礼に紹介料を払ったりすることが禁止になりました。
国土交通省は、こうした話があっても応じないよう、大家さんにお願いしています。大家さんの側から求めることも「問題となりえる」としているんです。
2025年4月2日以降に結んだ入居者の契約では、設備の費用をガス代にのせることもできなくなりました。それより前からの契約では、今ものっていることがあります。
国の会議の資料には、お金や物を渡すガス会社が今もあると書かれ、もっときびしくする案も出ています。
ここがポイント給湯器などの設備は、だれが用意する?
さきちゃん
ぼん吉【1】無料の給湯器は、入居者のガス代で回収されていた
資源エネルギー庁は、ガス会社が設備を無料で入れたあと、「LPガス料金に上乗せするかたちで集合住宅入居者から代金を回収する」と説明しています。
大家さんの出費は0円でも、そのぶん入居者が高いガス代を払っていたんですね。
無料で入れた給湯器はガス会社が貸している物なので、途中でガス会社を変えると、違約金として残りの代金を求められる契約もあります。
給湯器の代金を15年かけてガス代で回収する契約で、切り替えに数十万円が要ると言われた、という声も国に届いています。
2025年4月からは、請求で「設備料金」を分けて書くことになりました。入居者にも、ガス代で設備の代金を払っていることが見えるようになったんです。
ここがポイント【2】設備は大家さんが用意して、家賃で回収する
国は、給湯器などの設備の費用は「家賃として回収されるべきもの」としています。
大家さんが自分で給湯器を用意すれば、給湯器は大家さんの物です。
給湯器の工事をする会社に見積もりを取って用意し、費用は次に入居者を募集するときの家賃に入れて回収します。
給湯器がガス会社の物でなければ、変えるときに残りの代金はかかりません。ガス会社を値段で自由に選べるので、入居者のガス代を下げられるんです。
ここがポイント【3】もう無料で付けてもらっている給湯器は、どうなる?
さきちゃん
ぼん吉※出典:資源エネルギー庁「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針(案)に関する意見公募手続の結果」(2024年7月2日)、資源エネルギー庁「液化石油ガスの小売営業に関する取引適正化ガイドライン」
2024年7月2日より前に結んだ無償貸与の契約には、新しい決まりはさかのぼってかかりません。
ただし、その契約を更新したり、引き継いだりすると、新しい契約として決まりがかかるんです。
国は、前からの契約も「今後見直していくことが望ましい」としています。
ガス会社を変えるときに払う給湯器の残りの代金(買い取りの値段)は、基本はガス会社との話し合いで決めます。
ガス代に比べて高すぎる違約金や買い取りの条件で、ガス会社を変えにくくする契約は「問題となりうる」とされているんですね。
ここがポイント大家さんがガス会社を見直すには?
見直すときは、ガス会社に料金表をもらって県の平均と比べ、高ければほかの会社の見積もりを取ります。
【1】ガス会社に料金表をもらい、県の平均と比べる
国は、ガス会社に、アパートのガスの料金表を大家さんや管理会社へ渡すよう求めています。ガス会社か管理会社に「入居者の料金表をください」と頼んでみましょう。
料金表には、基本料金や1㎥の値段のほか、使った量ごとの金額の早見表ものっています。
「設備料金」の行に金額があれば、今も設備の代金をガス代で払っているということです。
早見表の10㎥の金額を、県の平均と比べる判定のページに入れると、高いかどうかが分かりますよ。
例えば、10㎥の金額が県の平均より2,000円高かったとしましょう。
毎月10㎥使う部屋なら1年に2万4,000円、10部屋なら入居者全体で1年24万円も多く払っていることになるんです。
下がるのは入居者のガス代ですが、そのぶん「ガス代が高い」という不満や、入居率が下がるおそれを減らせるんですね。
ここがポイント【2】ほかの会社の見積もりを取り、設備の残りの代金と比べる
高かったときは、今のガス会社に、ほかの会社に変えたら大家さんが払う違約金(設備の残りの代金など)がいくらかを聞きます。契約書や覚書が手元にあれば、その決まりも見ておきましょう。
2024年7月2日以降の新しい契約では、ガス会社を変えにくくする高い違約金などの条件は付けてはいけない決まりです。
それより前からの古い契約なら違約金がかかることもありますが、高すぎる違約金は「問題となりうる」とされています。
そのうえで、ほかのガス会社の見積もりを取り、10㎥の金額がいくら下がるかを見ます。
残りの代金は一度払えば終わりですが、ガス代が高いままだと、入居者の不満や空室のおそれは毎年続きます。
ガス代の不満で入居者が出ていくと、1部屋が1年空くだけで家賃が1年分入りません。
その家賃と残りの代金を並べてみると、変えるかどうか判断しやすいですよ。
ここがポイントまとめ
- アパートのガス会社は大家さんが選べ、入居者のガス代はその選び方で変わる
- 2024年7月から、ガス会社からの無料の給湯器や紹介料は禁止
- 2025年4月から、新しい契約では設備の費用を入居者のガス代にのせられない
- 2024年7月からの新しい契約には、ガス会社を変えにくくする高い違約金を付けられない
- 「無料で替えます」は断り、給湯器は大家さんが用意して家賃で回収する
- 前からの無償貸与の契約は違反ではないが、給湯器の買い取りの値段はガス会社との話し合いで決める
- 見直すときは、料金表で県の平均と比べ、ほかの会社の見積もりと残りの代金を比べる
まずはガス会社に料金表をもらって、県の平均と比べる判定のページを使ってみてくださいね。
高かったときは、残りの代金を確かめてから、ほかのガス会社の見積もりを取ってみましょう。
入居者のガス代が下がれば、「ガス代が高い」という不満や空室の心配も減らせますよ。
情報元
- 国土交通省「LPガスの商慣行是正に向けた制度見直しについて」
- 資源エネルギー庁「三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)に関するQ&A」
- 経済産業省 液化石油ガス流通ワーキンググループ 第15回 資料3(2026年10月15日)
- 資源エネルギー庁「LPガス料金に影響?訴訟になるリスクも?知っておきたい、『LPガス』の商慣行」
- 中部経済産業局「LPガスの取引の適正化」Q&A
- 資源エネルギー庁「液化石油ガスの小売営業に関する取引適正化ガイドライン」
- 資源エネルギー庁「賃貸集合住宅におけるLPガス料金の情報提供のお願い(再周知)」(全日本不動産協会の掲載)
- 資源エネルギー庁「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針(案)に関する意見公募手続の結果」(2024年7月2日)